2014年2月6日木曜日

待機児童問題の根源はなにか?

そはらです。

都知事選で、候補者が口を揃えて保育施設を増やす、そのために保育士を増やす、都の公用地を使う、等と言っていますが、いずれもちょっと論点がずれているな、と思ったので少し考えを書き起こしたいと思います。

 私は、学生時代に立ち上げていた会社で調布の病院とこども園の立ち上げをしたり(残念ながら途中でプロジェクトは凍結しましたが)、 マッキンゼー時代に某企業の保育園立ち上げプロジェクトに参加し、実際に土地所有者、行政、施設運営業者と実際に保育園を新設する業務を進めたりしました。 

この経験の中で、保育園が増えない/待機児童問題の原因は「ビジネスモデルとして破綻しているから」だ、という結論に至っています。 ご存じの方も多いと思いますが、認可・認証保育園には規制が存在します。 1人のこどもあたり、何人の保育士が必要、何平米の敷地面積が必要、認可であれば園庭がこれだけ必要など、細かく要件が定められています。これを東京の人件費、賃料、そして対価として得られる保育料で計算すると、どう考えても赤字がでます。

 ビジネスとしてはこの時点で破綻しているわけです。 

この赤字を、補助金で埋め合わせてなんとか採算をとる。この補助金ですが、今はを国と自治体で折半する、というのが裏側で行われています。安倍さんがいくら保育所を増やしますと言っても、自治体が首を縦に振らなければ増えないというわけです。 

ここで注目したいのが、本質的にリスクを取っているのは園を運営する自治体(東京都で言えば都ではなく23区や市のレベル)だ、という事実です。

一度地域で保育園を開けば、そう簡単にはやめられません。人口が減っていくかもしれないのに、固定費は20年も30年もかかる。それを自治体としてやりますか?と言われれば、どこだって消極的になるわけです。それでも、お金のある自治体であればやりたがります。しかし、そういう自治体に限って使える土地がない。港区などはその最たる例です。土地提供者はいるかもしれない、でも駐車場を作ったほうが儲かってしまうので、なかなか現れません。

 結局のところ、 

1.どうやって園を運営する自治体の出費を下げるか、(国が負担するか) 
2.そもそものビジネスモデルを黒字にするか(規制緩和) 

を議論せずして、待機児童の長期的な解決はありません。 

もっと言ってしまえば、規制は、何かしらの理由があって今の形になっています。利用者の不安を取り除くために、何人の保育士が必要、何平米の敷地面積が必要、というバランスの上に成り立っているはずです。
 これを緩和しようとすれば、 

3.保育サービスユーザーの一人一人が、どれだけ心を広く持てるか。

サービスのクオリティが下がるのを受容できるか という問題に直面します。 

これらに切り込まずして、待機児童問題の長期的な解決はありえない。 都知事候補者にはこういった本質的な問題解決をしてほしいと切に願います。